おどるポルカのひみつ基地

どうせこの世は ホジャラカ ホイホイ

マウスとMS付属のペイントで自己流ドット絵メイキング(3)

前回の記事:

polka-o-doruka.hatenablog.com

 

そして前回のジバニャン

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( 果たして本当にこれがジバニャンになるのだろうか……)


さて。この下書き作業が終わったので、この下書きの線をベースに、主線を作っていきます。
つまり、めんどくさくて、且つとてもとても楽しい輪郭線の手直しタイムです。

 

手直しの基本は

①はみ出しなどの修正。
②何度もなぞった結果でぐちゃぐちゃーってなったところの線を整理する。
  ・ついでにジャギジャギした部分を滑らかにする
  ・足りないドットは補う
③細かい微調整

こんな感じです。

 

はみ出しなどの修正は説明するまでもないでしょう。
分かりやすいのが画面右側の耳が、ぴょーんって無駄に長く伸びてるとこですよね。

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一気に全部をがさーっと修正しても分からないでしょうから、ひとまず左右の耳を修正します。はみ出し部分を削りましょう。

 

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はみ出しや線が重なった部分を消してみました。これだけでもちょっとすっきりしましたね。


しかし耳を整理したことで、画面右側の頬のラインが今度は気になります。ちょっとひしゃげて丸すぎやしませんかね。

それも当然。この頬のラインはそもそも最初にガサッと適当に描いた線がベースだったので……。
今度はここの線を整理しましょう。

本家のジバニャンはもう少し顔が楕円よりも、やや「おにぎり型」に近いのでそこの角度を意識します。


まずはちょっと問題の頬のある線をなぞって太くします。

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この太くなった線を削りながら、本家の絵とにらめっこして、線の角度をジバニャンっぽくなるように調整していきます。

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出来ました!


…え? 修正前と全然違いが分からない??
私も分かりません。 まぁいいや。

 

 

…私流のドット絵の作り方は、基本が「書いて、削る」です。
はみ出しのように露骨な「誤った線」だけでなく、何度もなぞって太くなってしまった線を削り、その形を一番正しいと思える線に近づけていきます。


「一番正しいと思える線ってそもそも何」って話になると思うんですが、私もそれは基準がわかりません。(さっきの頬の輪郭線の正解が分からないのと同じように…)


でもドット絵はドット1つの位置が違うだけで印象が全然変わるものも珍しくないので、妥協せずに何度も根気強く試して、一番しっくりくる答えを探す感覚で線を整理していきます。

 

ドット絵で何よりも大事なもの、それは「根気」です。

 りぴーとあふたーみー 「根気 is ベリー 大事」。

 

ではそんな根気のいる作業を続けていきましょう。

↓頭頂部の輪郭線と、画面左側の耳をさっきの要領でちまちま…ちまちま…

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……とはいえ、この線の修正作業、実はちょっとしたコツのようなものがあります。

それが「ジャギジャギした部分を修正する」ことです。

 


↓これは今まで編集中だったジバニャンとは別の画像なのですが、こちらをご覧ください。これは同じくペイントにマウスで一筆書きしたSの字です。

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うーんなんとも雑。

 

そして↑この画像の縮小表示のほうもついでにご覧ください。
さてこのSの字、滑らかな線に見えますか?

なんだかところどころ、ジャギジャギしてるというか
線の太さが悪い意味で不均一に見えませんか?

 

この太さの不均一な部分を、滑らかに修正することがドット絵では特に大事なのです。

 

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だいたい滑らかでないように見える原因は、画像の赤矢印の部分によるものです。

矢印で差された箇所はどれも、線の流れるナナメの方向以外に、横or縦に連続している「悪いドット」があり、その「悪いドット」が太さを変えているように見えてしまうのです。


言葉で説明してもイマイチ分かりづらいと思うので、こうしましょう。

さっきの私の言った「悪いドット」を赤で塗ってみました。

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この赤いドットを試しに白で潰してみます。

 

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↑縮小表示の方をご覧ください。
どうでしょう。だいぶ滑らかになったと思いませんか?

要は、「線を滑らかに見せたいのなら、線の中で角(かど)っぽくなっちゃってる部分を削れ」というだけの話です。なんだ簡単な話ですね。

 

でもまだ、このSの字に気に食わない部分が私にはもう一か所あります。
ここです。

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青で囲んだ部分です。
本当~~~~にごくわずかなんですけど、ここだけ、線が弛んでいるように見えません??

これも直します。

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↑先ほどと同様に、「悪いドット」を赤で塗ってみました。またしてもこの「悪いドットを」白で塗りつぶし、その代わりに今度は新しく、緑色の部分に黒のドットを1つ置いてみましょう。

 

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……おわかりいただけただろうか……


細かすぎて本当にどうでもいいレベルかもしれませんが、元々絵の面積が小さいドット絵では、ドット1つの位置で印象が本当に変わるのです。

 

この細かすぎる作業する意味あるの?と思える作業ですが、これらを積み重ねればだいぶ絵の印象が変わります。

 

「こんな気の遠くなる作業やってられっか」と思ったそこのあなた。

 

そうです。
ドット絵にとって真に必要なのは画力ではありません。

何度でも主張します。
正解のドットを見つけるために、誤ったドットを1つずつ丁寧に潰す「根気」こそが何より重要なんです。


ちなみになんでもかんでも以上の要領で修正すればいいわけじゃありません。
ジバニャンならば割とつるんとしている生き物なので線を滑らかにした方が自然になりますが、たとえば、けば立った猫の尻尾とか、トゲトゲヘアの人物の髪の毛とか、そういう「ケバケバ・トゲトゲ・ギザギザした印象を与えたいパーツ」は敢えてドットの角を残してジャギジャギにしておいた方がよりナチュラルに仕上がったりします。
臨機応変にやっていきましょう。

 

最近のペイントちゃんは賢いので、こういうジャギった部分をある程度自動的に補正してくれる機能もあるんですが、まぁその機能にも限界はありますし、「同じ線を何度もなぞるうちに自然と太くなっちゃった」とかで今も使う場面は多いテクニックです。
他のツールにも必ずしも同様の線の補正機能があるとも限らないので覚えときましょう。(特にゲームでマイデザインとか作るような人。)

 

ではジバニャンに戻ります。
さっきのテクニックを踏まえながらどんどん線を整理しますよ~


途中経過。

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↑最も目立つパーツ、目の形を修正してます。


また「ジャギってるなぁ」って思えるようなところは大抵「縮小表示」ウィンドウを見れば一目でわかりますので、そこも重点的に直します。

 

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↑目の大きさや形、あとついでに鼻も修正。
実はこのジバニャンはウインクしてたんですね。
あまりにも今までの絵が汚くて分かりませんでした。今明かされる衝撃の事実。

 

 

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↑キャラクターをドット絵にする場合だと目のパーツは特に全体の印象を左右するので自然な大きさや形になるまで何度も試行錯誤します。

ついでに腕周りや足の輪郭線をちまちま直しました。
脚の方は線を描き足すうちに、なんだか画面右側の脚が黒で塗りつぶした陰影っぽくなってきてしまってます。
でも太くなっても悲観する必要はありません。ドット絵だもの。

普通のイラストだと修正するのが大変ですが、こんな風になってしまっても、光が当たってる部分を削る感覚で線を整えてやるとドット絵ならいい感じに軌道修正できます。

 

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↑ジバニャンのトレードマークと言えば腹巻ですが、画面右側のボディから足にかけてまでの輪郭線を一度整理するために腹巻の線を部分的に消してみたところ、なんだかタイツみたいになってしまいました。

 

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↑尻尾も普通に整形してもよかったのですが、尻尾は細長いパーツなので予め一気にふとめに塗りつぶし、中を白抜きしてから外側の形をいじって整えるやり方を今回は取ることにします。

 

そしてこんな感じになりました。

じゃんっ

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……すごい。


最初の気持ち悪い生き物からよくぞここまで軌道修正したと自分で自分をほめたくなるような気持ちになります。

 

まぁまだまだ尻尾の炎の形がしょぼいのであれを直していきましょう。

 

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公式絵を見ながら尻尾の炎をパワーアップさせるついでに、首周りの白い模様を失念してたのでそれを描き足します。

あとは鼻パーツや、正面から見て右側の足を微修正。

 


……えっ…??


これもしかして……ジバニャンでは……??

 

マジでこれは……誰がどう見てもジバニャンじゃん……??

 


最初のぐちゃぐちゃした線の塊を思い出してみてください。

あれがこれになったんですよ。自分でもびっくりですよ。

よくぞ形にできたと自分で自分を褒めたい。やればできる子。

 

…これにて線画タイムはおしまいです。
次となる最終回は色塗り! まだまだ続くんじゃ!

 

(※もしも色塗りのさなかに線画を台無しにするのが怖いのなら違うファイル名で保存しておきましょう。)

 

次の記事(最終回):

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