おどるポルカのひみつ基地

どうせこの世は ホジャラカ ホイホイ

冷静になってTTiAの批判点を考える会

あけましておめでとうございました。

 

この話題も何度目かと自分でも思いますが、過去に公開した記事が「感情的に書きなぐった長文記事」と「感情を押し殺して書いた中立寄り考察記事」の2パターンであるため、「冷静になって書かれたTime Travel in ALICE(以下TTiAと略記)の批判記事が欲しい」という自分の需要を満たすためにこの記事を書いております。

おそらくこれでこのブログでTTiAについて語るのは最後…になるでしょう。いや、最後にしたい。

 

TTiA批判派も一枚岩じゃないんですよね。人によって「ここがダメだった」のポイントが微妙に違ったりします。 

このブログを公開してからというもの、寄せられた意見や反響もありましたのでそちらにも触れながら、以下項目分けをして、どんなところがダメだったのかという点について具体的にポイントを挙げつつ話を進めたいと思います。

 

 

1.そもそもストーリーとかそういうやつに興味がない(=ゲームパートが楽しければそれでいい)

こんなブログを書いた私がいうのもなんですが、クラフィを遊んでる大多数がおそらくこれじゃないかと私はにらんでるんですよね。

 

というのも公式twitterに寄せられたリプライとか、ツイッター内検索とかしてますと、「アインシュタインとトラヴァーって似てるよね?」「@** それ同一人物なんですよ」「@×× マジですか!知らなかった!」みたいなやり取りを沢山見かけます。

 

あんだけ長々とエピソードをやったのにそれを把握してない人が少なからずいるということ、そもそもが「皆スキップでシナリオを飛ばしていてろくに読んでいないのではないか?」という印象に帰結します。

 

読んでて面白いものならまだしも、実際にクラフィのテキスト回しは巧みな言葉使いとかで人を引き付ける魅力があるとかそういうわけでもないものがだらだらと続くので、画面連打で吹き出しをすべて読み飛ばす人の気持ちは私もよくわかります。

 

で、すべて読み飛ばすという視点で考えると、それにしては台詞の数が無駄に多い。スクリーンショット撮ってた私としては、1つのストーリークエストで吹き出しが長ければ30~40ぐらいあるのも確認しました。実際にゲームが遊べるまでにそんなに画面タップをしなきゃいけないのかと思うと色々と手間過ぎる…。

 

私自身もクラフィの現在のストーリーパートの見せ方については反対派で、前の記事でも書いてたんですが、エピソードはクエスト説明文にちょろちょろっとさえあれば十分なんですよね。あとは必殺技名代わりに敵が発するセリフだけで大体の雰囲気は察せるので……。

 

2.トラヴァーに感情移入がしづらい

TTiAの大きな欠点の一つがこれじゃないかなぁと思うんですよね。運営的にはトラヴァーをツンデレ気質の少女に描きたかったのかもしれませんが、プレイヤー目線だと「唐突に現れて、理由の説明もなく振り回す」少女に、彼女が消失する3rdまででプレイヤーが感情移入する理由が乏しすぎる。単純に長期間一緒に居たから愛着も沸くだろうという考えだったのでしょうか。

 

でもどんなに長期間一緒に過ごしても、たとえるなら「学校の同じクラスにいつまでたってもソリの合わない同級生がいる」なんてのも珍しくはないことで、そこらへん、見通しが甘くない?と思ってしまいます。

 

3.重要と思しき単語の説明が作中にほぼなく、ひとつのタイムトラベルものとして見ても出来がイマイチであること

前回の記事では強引な考察をしましたが、この記事でも触れているように、そもそも「重要な言葉の定義」の説明が作中にほとんどありません。

polka-o-doruka.hatenablog.com

「並行世界」「特異点」「因果律」……タイムトラベルを題材とするSF作品では頻出の単語でも、作品によってそれらの単語のニュアンスが微妙に違うことは珍しくなく、まず理論上でしか存在しえないものについては作中での定義が必須であると私は考えています。

そんな中でこのTTiAはそれらの単語の説明が何一つないので、考察しようにもまずその単語の定義づけを「この用語は既存のSF作品でのどの用例に近いか?」という見極めから始めなければならないという負担を読み手に強いています。

ましてSF作品に強くない人からすれば何も説明もなくぽんぽん出てくる謎の新単語には、頭の上にクエスチョンが飛び出すこと請け合いで、そんな人を置いてけぼりにして話は勝手に進んでいく……これが面白いわけがない…。

 

そして一番致命的なのが「説明不足であるがゆえに、適合者(=プレイヤー)がなぜトラヴァーに協力すべきなのかの理由がわからない」「説明もろくにされていないのに勝手に連れまわされ、その割には彼女に嫌味を理由もわからず何度も言われてしまう」という疑問と不快感を残してしまうため、これが結果的に2.トラヴァーに感情移入がしづらいの項にも繋がってしまうのです。

 

4.適合者がひとりでに行動する展開に違和感・抵抗

finalでの冒頭で適合者(プレイヤー)が自発的に行動したあたりに抵抗感があったという意見を見かけました。(3rdラストのマーリンの親友云々発言に引っかかりを覚えた人も含む)

 

ここ3年以上でも適合者(プレイヤー)が自発的に行動するなどというこんな展開は一度もなかったので、読み手からトラヴァーへの“本当の感情”を別にしても、この適合者の行動を勝手に決めつけられる描写そのものに抵抗感が強くあったという考え方ですね。

ゲームシステム上で話が一本道なのは仕方ないとはいえ、読み手の感情を置いてけぼりにした展開に強い違和感をプレイヤーが覚えうること、ここも運営は想定してなかったのかなぁ?と思ってしまいます。

 

まして、それまでの描写の積み重ねで「トラヴァーに感情移入できない」人間がそれを読んだら…言わずもがな…。

 

5.PVでは人気キャラの過去版ビジュアル公開が多かったが、実際はほとんど彼らの出番がない

ゲームを遊ぶ大半の人が「シナリオなんていらねぇ」主義派ではないかと思っているので、私は特定キャラクターの出番についての不満がある層を「声のデカイ少数派」(自分含)と思っているのですが、まぁとりあえず。

 

PVに出て来たキャラの出番を期待していたら、実情ほとんど出番がなかったため(特に1stと3rd)そこに落胆したという層もやっぱりそれなりに見かけるのですよね。

 

3rdなんて特にひどかった。PVにはトラヴァーのトの字も無かったのに、実際に蓋を開けてみたら話がほぼトラヴァーのことしか触れてないという有様で…。

正直円卓の騎士団のことを「熱烈に好きというほどでもないがアーサーは初期にお世話になった思い入れユニットであるためどちらかといえば好き」レベルの私ですら、彼らの出番を期待してた人には同情を禁じ得ないという…。

TTiAそのものの物語が微妙な出来であることに加え、「看板に偽りあり」というのも余計に落胆させるポイントだったのではないかなと。

 

6.過去編……? 過去編とは…?

 

5の項目にも近いんですが、厳密にはTTiAって過去編じゃないよね、という話。

過去編って言うと、一般的に人が思い浮かべるのは、スターウォーズのエピソード1とかのような、「ある特定のキャラとかをメインにした、その人物の過去の様子を描くスピンオフ」みたいなものを想起しがちと思うんですが、TTiAはそういうものではありませんよね。

ドラえもんのタイムマシンを使ったのび太が大恐竜時代に旅立って、恐竜たちとキャッキャウフフした時のエピソードを『のび太の過去編』と呼べるのか?」というのと理屈は同じです。

 

TTiAの中では「比較的」マシと言われてる2ndも含め、それがタイムマシンによって引き起こされた新しい出来事であれば「舞台が過去という場所なだけの新エピソード」であり、それは一般的に想起されがちな過去編とは言いがたく、「そのキャラの過去に一体何があったのか」みたいなものを期待していた層としてはまたこれも看板に偽りありになっています。

 

いやでも…TTiAのことを過去編と言うのはあくまでこっちの早とちりで最初から公式はTTiAが過去編だなんて一言も言ってなかったかもしれな…

 

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言ってました\(^o^)/

 

なおこれが過去編といえるのかという疑問が運営にもあったかどうかはいざしらず、3rd以降のPVからは過去編という文字が消え失せています。

 

 

~最後に~

というわけでこの記事はおしまいです。お付き合いくださってありがとうございました。

私は普段であれば物語に多少の粗や齟齬があっても、「それを吹き飛ばせるぐらいの勢いと面白さがある」作品にはそれを許容しておおむね高評価を下すタイプなのですが、TTiAにはそれのどちらも無かったため、結局のところ粗ばかりが目立ってしまうという、そういう評価を下さざるを得なかった……という次第です。

このブログ初公開時から寄せられた数々の意見には大変勇気づけられたり、参考にさせていただりしました、改めて重ねて御礼申し上げます。