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【人生の息抜きで死生観を考える】「アンジェリーク ルミナライズ」ネタバレ無し感想

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クリアしたゲーム感想を書くのが恒例となってきたこのブログ。

というわけで今日のおしゃべりの話題のゲームはこちら。
アンジェリーク ルミナライズ」

以下、略して「アンミナ」と呼びます。

 

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まず概要を説明しますと、こちらコーエーテクモゲームスから出ている、女性向けの「乙女ゲー」というジャンル。

(ちなみにこの作品はコーエーテクモ名義なのでカタログチケットは使えません! 残念!)


一応定義の確認をしておくと、乙女ゲーとは、いわゆる「男性キャラと疑似恋愛体験ができるゲーム」、いわばギャルゲの逆性別版のこと。


(それにしても昔から思っていたのですがややこしくないですか? ギャルゲーは「攻略対象がギャル(女子)のゲーム」のことを指し、乙女ゲーって「主人公が乙女(女子)のゲーム」を指すじゃないですか。「ギャルゲの対義語的に呼ぶならそこはイケメンゲーじゃないのか?」と思ったり思わなかったり)

 


閑話休題

 

簡単に「アンジェリーク」の商品概要を説明すると、
おそらく世界の乙女ゲーの歴史の中でも最初期に出たゲームです。
正確に漁ってないけど世界初の乙女ゲーかな? 
作ったのは当時のコーエー。(現在はコーエーテクモ名義ですけどね)
初代の主人公の名前がアンジェリークだったためシリーズもこの名で続いています。

 

まぁアンミナはそんな歴史あるゲームシリーズの最新作というわけです。

アンジェリークシリーズは派生やリメイクなどは出ていたものの、新作に関しては昨今音沙汰がなく、「完全新作はこのルミナライズで15年以上ぶり」というファン待望の新作です。


キャラクターもシナリオも既存シリーズと一新されてるので新規の方にも全然問題なくお勧めできます。

 

(流石に乙女ゲーゆえに男性ファンにはお勧めしていいか分かりませんが、過去に有野課長ゲームセンターCXで「アンジェリーク トロワ」というナンバリングを遊んでフラれるという経験をされてるらしいです。アンジェは育成シミュレーションパートが独特なのでそこを楽しむ男性プレイヤーもいるとの噂。私も過去にアンジェ本編を初めて遊んだときの感想が「これは乙女ゲーの皮をかぶった戦国国盗りシミュレーションでは?」でした。)

 

また恒例の如く言いますが、アンミナ体験版あります!
本編にセーブデータを持ち越せるやつです!
好みが分かれるかもなゲームシステムなので、実際に遊んで気に入ったら買ってみるのがおすすめ。


(ちなみに私のアンジェ歴ですが、一番最初に知ったのはアンジェリークシリーズの学園パロ版の派生ゲーである「スウィートアンジェ」という女児向けゲーでした。お菓子作りを前面に推されているので当時の女児であった私は恋愛要素を主軸としたアンジェ本編があるということを当時つゆ知らず、後に本編の存在を知って驚き、GBA版の初代リメイクだけ少し遊びました。)

 


さて自分語りと前置きはこれぐらいにして中身の方に触れていきましょう。


アンジェの世界は学園パロのような派生ゲーを除き、本編はいずれも共通の世界観があります。
それが以下の通り。

 


……ごく普通の女子高生だった主人公アンジェリーク(通称アンジェ)は、
ある日突然自分の住んでいた地球から天空に浮かぶ飛行都市へ強制連行され、「この宇宙を司る女王となるための試験を受けろ」という意味不明で突拍子もない宣告をされます。

なんでもこの世界の宇宙は「女王」という存在が世界のバランスを保っているらしく、
女王が力を失った宇宙は不安定で危険な状態となってしまうらしい……。

その女王適性があった主人公は、もう一人の女王候補であるライバルの女子・ロザリアと共に、次代女王を決めるための試験を強制的に受けさせられることになったのです。

 


…少し細部は違いますが、イメージとしては小説/アニメ『十二国記』を想像してもらえると、十二国記ご存じの方には喩えとして分かりやすいかもしれません。


ある日突如ファンタジーな世界に飛ばされた平凡な女子高生の主人公に「この大地の均衡を支えるための王になれ」という運命を課されるという構図とアンジェはちょっと似ています。(まぁアンジェ初出はスーファミ時代のゲームなので十二国記より早いですが)

 

そして、『十二国記』の王には「麒麟」という王の補佐がいるのと同じように、
アンジェにおける「宇宙の女王」には「守護聖」という補佐官の男性が9人もいます。

女王候補となった主人公とライバルは、彼らの力を借りて、「一つの惑星の大陸を育てろ」という試験に挑むことになるのです。
試験に挑むうち、守護聖と女王候補の中に恋愛感情が生まれるということも……?

 

 

…簡単に言うとシリーズ1作目からこんな内容です。

 

 

なぜ世界初クラスの女性向け恋愛ゲーがこんな変化球も甚だしい設定にしたのかと開発を小一時間問い詰めたい

(学パロ版を最初に知ってた私はその複雑な設定を最初に知った時にむせました)

 

 


まぁ理由は想像付きます。当時からコーエーは戦国シミュレーションを作ってましたので、女性向けゲームを作るにあたってそのシステム的なノウハウが流用できる世界観設定をまずは作ったんじゃないかな、と。(※私の妄想です)

 


……ゲーム内容を具体的に言うと、プレイヤーは「大陸を育成する」という女王試験にメインに取り組まねばなければなりません。

 

「大陸育成」と言ってもプレイヤーのやることは簡単で、「火」だの「光」だの「水」だの「夢」だの、この宇宙を構成する9つの要素をそれぞれの守護聖が司っており、プレイヤーは彼らにお願いすることでその要素たる各エネルギー(作中用語でサクリアといいます)を自身の大陸に送ってもらうだけです。

 

食べ物の栄養素が偏ってはいけないのと同じように、それぞれのサクリアを満遍なくバランスよく自分の大陸に送っていくのがポイントです。
そんな女王試験のスキマ時間を利用して、魅力的な守護聖様とプレイヤーは恋愛をすることになっていきます。

 

…そんなアンジェシリーズの最新作「アンミナ」ですが、これまでのシリーズと同じように、宇宙の女王に関しての設定は共通しているものの(シリーズ前作以前の女王や守護聖たちは今回の宇宙とは別宇宙を管理しているという設定になっています/前述の通りキャラ一新されてるので歴代知識は要りません)ひとつだけ歴代シリーズと大きく違う点があります。

 


それが「主人公(アンジュ)が25歳のOLである」ということ。

 

 

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前にも説明しましたが、アンミナは前作からリメイクなどを除けば15年以上も空いたシリーズの作品です。


ゆえに、主人公設定が25歳と既存シリーズと比べてかなり高くなった理由は、「それ以前のシリーズを遊んだ当時の乙女や女児たちも、今や女子高生の主人公を出しても素直な感情移入が難しいのでは」というコーエー側の配慮かと思われます(私の妄想です)

 

なので対象年齢としては、乙女ゲーは乙女ゲーでも大人の女性向けですね、これは。

 


で、どうしてもその「主人公の年齢が違う」という点にぱっと見で目が行きがちなんですけど、クリアした今、このゲームはそこの部分を評価するゲームじゃないと思ってます。


やっとブログ記事のタイトルにしたことが言える。

 

 


私がアンミナをプレイして出た感想、
「人生の息抜きで死生観を考えるゲーム」

 

 


つい人目を引くためにブログ記事タイトルも誇張広告っぽいフレーズにしたくなるんですけど、でもやっぱり私の中でアンミナの本質はこれだな、って思ってしまって。


…いやこれ、アンミナは乙女ゲーじゃないよ。
いやそりゃ攻略対象(守護聖)に甘い言葉とかめっちゃ主人公言われるから確かにこれは乙女ゲーなんですけど、そういうことじゃなくてもっとこう……。


アンミナはその乙女ゲーとしての部分じゃなくて、「乙女ゲーという枠からはみ出した部分」が刺さってくるゲームなんですよ、少なくとも私には。

 

 

先述の通り、アンミナの主人公・アンジュは25歳のOLです。
(デフォルトネームはアンジュですがプレイヤーは7文字以内の任意の名前を付けることができます。ただしプレイヤーネームがアンジュのままだと、守護聖たちはそのまま名前をボイス付きで呼んでくれます)

 

そのアンジュが仕事帰りにビル街を抜けて立ち寄ったバーでお酒を飲んでいたところ、隣の席の客に渡された怪しい書類に軽い気持ちでサインしてしまった結果、彼女はその書面の契約通りに女王候補試験を受ける羽目になるという、ちょっと心配になる人物像なところから物語はスタートします。(この彼女の軽率な部分は作中でも指摘があります)

 

 

……正直なところ、私はアンジュ本人には感情移入があまりできなかった。
誤解を招かぬように言うと、「自己投影じゃなく、感情移入ができなかった」です。

まず私はこれに限らず乙女ゲー遊ぶ時は主人公という別人を操作してる感覚なので主人公に自己投影はあまりしないタイプの性格です。「主人公」というキャラクターと攻略対象のいちゃいちゃを見るのが好きなんだ。「夢小説」と「乙女ゲー主人公と攻略対象の誰かのノマカプ」は違うんだ。わかれ。(?)

 

で、主人公アンジュは都会暮らしで、本人の経験談によると仕事も失敗も多くて冴えない生活だったようですが、私目線だと彼女の置かれた環境が割とキラキラしたOL生活に見えたので、田舎暮らしの私としてはこう、自分と比較して自分のスペックに凹んでいく形でした。
そういう意味で彼女の生活には「感情移入ができなかった」……。

 

でもアンミナを遊んだ自分としては「面白かった」。
その理由が、このゲームは「主人公以上に感情移入してしまう存在」がいたからです。

 


……攻略対象が複数人いる乙女ゲーに関して特定の1キャラをプッシュしてしまうのは気が引ける部分もあるのですが、彼はアンジェシリーズの中でも異例中の異例な存在でアンミナの他のキャラクターについて語る上でも外せない枠なので是非ともここで紹介しておきたい。


それが発売前に一部界隈で話題となった水の守護聖「カナタ」です。

 

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↑カナタ(画像の中央にいる男子)

(なお25の独身女が高校生を夜に自分の部屋に入れるのはあまり良くない気がします。あくまで私の意見)

 


試験のために自分の住んでいた惑星から突然強制連行されるのは主人公ら女王候補だけではありません。
彼女らのサポートをする守護聖(攻略対象)も同じです。

そんな中で「カナタ」という守護聖も、主人公と同じく地球出身の若者になります。

彼もまたごく普通の男子高校生として生きていました。
友人とゲームしたり、模試に頭を悩ませたり、ツイッターをしたり。

 


……そうです、守護聖(攻略対象)の中で彼にだけ特例で、彼個人のツイッターアカウントがあります。

 

 ↓こちらがそのカナタ少年のtwitterアカウントです。

アカウント開設は2020年の7月2日。


翌年の5月20日に発売されるゲームのPRアカウントを前年の夏から作るこの広報の執念、怖すぎる。

 

……まぁ広報事情はさておいて、カナタ少年のアカウントの内容を素直に追っていきましょう。

普通にゲームを楽しんでいたり、そしてこのソーシャルディスタンスなご時世でリモート授業だったり、旅行にも行けなくなってたり……。


彼のツイートの中には直接のコロナの文字は無かったものの、「2020年」という世界的にも未曽有の経験を迎えた年を生活していた様子が残っています。

 

ポケモンコダックが好きだったり、

 

リングフィットも買ってたり

 

とにかく、彼のツイッター「実はこれはアンジェリークルミナライズというゲームのPR用アカウントなんだ」ということを説明しておかないと、時事ネタに触れていたり、本当に実際の男子高校生の生活に見えてしまうぐらいに違和感がない日記だらけなのです。

 

 

↑更に彼には横溝海斗という友人がいて、その海斗くんのツイッターアカウントもまた別に存在します。

 


カナタくんのツイッター開設日の様子を見るに、おそらく海斗くんがツイッターアカウントを取得したもののフォローする相手がおらず、カナタくんを誘ったのだと思われます。
(実際に海斗くんのほうが開設日が早い)

このふたり、相互フォローになり、そして度々互いにリプライを送り合ってました。

 

 

……けれどここまでの説明を読んで勘のいい方ならお気づきでしょう。

 

そう、カナタ少年はこれらのツイートがされたその先の未来で、守護聖になるべくして、飛行都市に強制連行される未来が待っています。
そして、元の生活には戻れないこともその地で宣告されます。
つまるところ、彼の将来には「家族や友人たちとの予期せぬ突然の別れ」が必然的に存在するのです。


そしてアンジェを経験した過去作プレイヤーにもその未来は最初からずっと見えているという地獄のような構図。


なんだこの鬱イベント発生装置は。

 

 

そんなこんなで、彼の日常ツイートは、夏も秋も冬も、この感じで数か月もずっと続きます。

(よかったらこのブログ記事を読み終えた後にカナタくんのtwitter過去ツイート覗いてみてください。崖の上に逃げたヤギの話題に触れていたり、自身と同世代の藤井聡太棋聖の活躍の凄さに自分を比較してしまったりなど、時事ネタに関するものも数多くあります) 

 


……そんな、平凡な日常生活の報告が続いてきた中で、カナタ少年の身に最初の異変があったのは今年の4月。

 

このご時世でそんなツイートをされると別の心配をする…。
そして案の定カナタ少年もそれを疑うが、実際のところは彼の身の異変はウイルスによるものではない、守護聖としての力に目覚めかけているそのせいだ……ということもプレイヤー視点では見えている。

 


そして発熱騒ぎ以降のツイートたち…(一部抜粋)

 

 


そんな彼は高校三年で最後の体育祭に頑張る誓いを立てている様子ですが、

 

でもプレイヤーには見えている。
彼がその体育祭を迎えられないことを……

 


そして彼の身に起こる異変はどんどんエスカレートしていく。

 

 

そして彼は違和感を覚えた時の記録に該当時刻を入れ始める。

ストーカー的な不審者を疑っているようだ。

 

 


惜しい、守護"霊"じゃないんだよな…

 

――そしてついに、"その日"の宣告が来た。

 

 

これを見た界隈の人間たちはどよめいた。

ついに。

ついにその時が。

 


そしてそれを裏付けるように、その翌朝、カナタ少年は己の身に迫る危機を察知していた……。

 

以上のツイートの間に、彼の友人である海斗くんがただならぬ様子を察して彼に「LINEして」とリプライを送っていました。


そして、このツイートを最後に、@kanata_1202__のアカウントは以降一切更新がされなくなります。

 

また、それまでにリプライを送り合っていた横溝海斗くんのほうは、それ以降で彼とリプライをし合ったツイートが全て削除されており、そして相互フォローだったはずのカナタとはフォローが切れていて、まず彼はなぜ壁打ちのツイッターを一人きりでしていたか思い出せない様子。

 

 

実は女王候補や守護聖に選ばれた者が出ると、その家族らと友人など親交のあった者は「その主人公(守護聖)に関する記憶を全て消される」という措置がなされます。

リプライ全削除や相互フォロー解除もそれに起因するのでしょう。

 

もう誰も、主人公およびカナタ少年の事を覚えている人間は(メタ的に観測できるプレイヤーらを除いて)この地球にいないのです。

 

…いや正確には、記憶が消されるというより、「守護聖たちの痕跡が最初から無かったもの」という状態になります。

つまり、皆がカナタのことを忘れたのでなく、「最初からカナタという若者はこの世界に存在しなかった状態になった」と呼んだ方が正確かもしれません……

 

 

(↓キャラクターデザインを務める紗与イチ先生のツイート。画像が漫画になっているので是非開いて全体見て欲しい)

 

 

……このカナタくんの最後のツイートがされた日、Twitterトレンドに「アンジェリーク」が載るほどの騒ぎが起こりました。

 


去年の7月頭から今年の4月までの期間をかけた長すぎるPR。

 

およそひとつのゲームのPRでこんな手の込んだ"その日"の完成に、プレイヤーは開発に拍手を送り、そしてカナタ少年の境遇を思って涙した……。

 

 


↓アンミナとコラボPR企画もあった、「マキとマミ」(※オタク女子なOLの生活をコメディタッチで描いた漫画)の町田 粥先生による漫画

ほんとうにこの絵はプレイヤーの気持ちを代弁していた……。

 

 

 

そしてそこから先のカナタ少年がどうなったかというと……続きは体験版で見ることが出来ます!!
よかったらそのまま本編まで! 是非!

 

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……今までのアンジェシリーズ、私の知る限りでは、主人公も守護聖も、
自分の故郷に関して濃い未練を出すキャラクターはさほどいませんでした。
(連行されたことに不満を示すキャラクターは居たものの、作中でその点の深いとこまでの掘り下げはなかった)

容量の問題か、メタ的にプレイヤーも開発も気にしてなかったのかの問題もどちらもあったんじゃないかと思いますが、今作は初めて「もう元の環境には二度と戻れない」という女王候補と守護聖にもフォーカスした内容になっています。


主人公のほうはプレイヤーの選択肢によりけりなので未練に対しての度合いは人によりけりと思いますが、カナタのほうがどうなったかというと……まぁいくらか想像は付きますよね。


この感じがね、主人公よりもカナタに感情移入しちゃうんですわ。
私はカナタのことを攻略対象じゃなくて第二の主人公だと思いながら遊んでました。


流石に守護聖になられるお方はこのブログを読んでないとは思いますが、「ある日突然大好きな誰かに会えなくなる」という出来事自体は、私たちの身の回りにも普通にありうる話じゃないですか。


そしてアンミナの主人公・アンジュと同じように年を重ねた人間は、おそらくそういう「不慮の別れ」も身に覚えがあると思うのですよね。

 


そして私はこないだベッドから起き上がる際に体勢が悪くて足を滑らせて頭を床で危うく強打しかけたし(※これは笑うところのアホなエピソードです)、下手したらこのブログ書いてなかった可能性もあります。

 


…このご時世なら余計にそういうことを意識・痛感してしまうことも多いわけで。


だからそういう「死生観」をこのゲームは問いてくる場面が多々あります。
このゲームに興味がある人は、大陸育成ゲーの部分と恋愛ゲーというメインの要素を楽しみつつ、そして「不慮の別れへの悲しみを人はどう受け止めればいいのか」、それを主人公やカナタ少年の目を通して見て欲しいです。


もちろん攻略対象たる守護聖は、カナタのほかにも8人います。
発売前のPRでは以上のようにカナタが圧倒的存在感を示していましたが、
他の彼らもそれぞれのバックボーンを背負って生きています。


だからプレイヤーに価値観の近い主人公とカナタのふたりの目をレンズ代わりに、
他の8人の守護聖の生き方も理解していくことを是非ともやってほしい!

 

私も体験版の範囲ではノーマークだったけど本編遊んで「おっ??」となったキャラクターもいたので、そこら是非みなさんにも味わってほしいです。


……さぁ女王候補様、令梟の宇宙は貴女をお待ちしております!

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……やっぱり言っとくとこれ乙女ゲーですので!! 勿論いちゃいちゃ要素もタップリあるよ!! っていうか本来そっちがメイン要素なんだよ!! 是非女王試験と恋の行方を楽しまれて下さい!!

【これは「遊べる少年漫画」だ】Nintendo Switch用ソフト『バディミッションBOND』ネタバレほぼ無しレビュー

というわけで久々にブログを更新します。
自分のプレイしたゲーム録も兼ねたゲームレビューのお時間です。

 

 

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本日のご紹介はNintendo Switch用ソフト「バディミッションBOND」
ジャンルはADV(アドベンチャー)、主人公の行動や発言の選択肢を選ぶことで物語が進んでいくゲームジャンル、といえばよいでしょうか。

 

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君は誰と共に歴史を刻む? 「ファイアーエムブレム風花雪月」レビュー

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こんにちは。今日のブログ記事は題の通り、Nintendo Switch用ソフト「ファイアーエムブレム風花雪月」のネタバレ無しゲームレビューです。

 

概要を言いますと、「Nintendo Switchでカタログチケット使って1本買ったけどもう1本のソフト何にしようかな~~」と迷っているあなたの背中をファイアーエムブレム風花雪月はいいぞ…」と押すための記事です。

 

現在私はこのゲーム2周まで攻略済みで、3周目のちょうど折り返し地点の辺りでこの記事を書いています。


…本来はこの記事を書くべきなのも全ルートやDLCまでを全て遊んでからにした方がいいのではというのは重々承知しているし元々そのつもりだったのですが、他の人に今私が遊んでいるゲームの紹介をしようと思うとツイッターの140字では到底足りず非常に長くなってしまうため、「まぁ途中なんだけれど便宜上の参照リンク作っときたいよね!!」ぐらいの気持ちで書いてます。まぁ全ルート攻略した後でも私の気持ちはきっと変わらないだろう。たぶん。


(いずれクリアしたらこの記事の中身もより精査する…かもしれない)


まぁこのゲームのレビュー書いてる人は世に既に山ほどいるでしょうが、たとえ今更でも自分の言葉できちんと書いておきたいので綴っています。


…御託はいいのでさっさと本題に行きましょう!!!

 

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超次元サッカーの監督がオトメな勇者になった話

こんにちは。はじめましてという人ははじめまして。

この記事は、レベルファイブの会社ごと追っかけてるゲームオタクが、先日アプリのサービスが終了した「オトメ勇者」(とちょっとだけイナズマイレブン)についての思い入れをいろいろ書いた記事になります。

具体的に言うと、乙女ゲーユーザーではなく、RPGが大好きなオタクが、オトメ勇者のキャラクターを「RPGのキャラクターとして見た視点で」語る記事です。

 

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マウスとMS付属のペイントで自己流ドット絵メイキング(4)

前回の記事:

polka-o-doruka.hatenablog.com

 

というわけで第四回となりましたこの記事もついにこれで最終回です。

もちろん最後にやるのは色塗りです。


今度はツールを、「鉛筆」から「塗りつぶし」(通称バケツツール)にバトンタッチします。


あとはパレットで好きな色を選んで、塗り絵感覚で流し込むだけです!!
簡単ですね!!!!おわり!!!!

 


…え……??
色選びのコツとかそういうやつを教えて欲しい……?

ごめんそういうのは美術の先生とかグーグル先生とかに聞いてください…。
私も独学だから……未だにどういう塗りがセンスいいか分からないから………。

(他の画像編集ソフトなど使える人は予めそちらで使用予定色をまとめたカラーパレットを作るというのもありかもですね。)


まぁ色選びのコツに関しては先人のアドバイスに任せるとして、単純にドット絵を完成させるために私の方からは手順だけ……。


まずはベース塗りをします。
塗り絵感覚で、バケツでそれぞれの色を流し込んでいきましょう。

今回のジバニャンの場合は公式絵というモデルがありますので、それに近い色で塗っていきましょう。
敢えて外す色を塗ってくのも面白いんですけどね。
まぁ今回はメイキングなのでスタンダードなジバニャンを目指します。

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↑最初にジバニャンのトレードマークといえばやはりこの色、赤を流し込んでみました。同じ色で塗るパーツは一度にまとめて塗ってしまうのがお勧めです。時短になるので。(でもよく見ると画面右側のしっぽを塗り忘れてるね)


他のパーツも同じ要領で塗り絵していきます。

 

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↑とりあえず全部のパーツを塗り分け終わりました。

(これだけでもだいぶジバニャン!!って感じが出てますね。)

 

次に、細かすぎて黒では入れてなかった、あるいは先に入れておくとバケツ塗りの邪魔になりそうだったパーツを入れます。

具体的には「腹巻の模様」とジバニャンのチャームポイントの八重歯です。

 

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歯に関しては細かすぎて実寸大サイズだと潰れて分からないですね。まぁ次で濃い色の影を口の中に入れるので少しは分かりやすくなってくれるはず…。

 


というわけで、この次からは影を入れていきます。


(注:もしもここで作ったドット絵を元にして、どうぶつの森のマイデザインとか、
ガールズモード4のドット絵にしたいとか、そういう使い道をしたいのであればひとまずこの段階(影を入れずベース塗りした状態)をゲーム機側で模写し、以降の作業をすべてゲーム機側でやるのをお勧めします。

というのも上記のソフトでは使用できるパレットによって使える色数が限られているので、それに合わせて色を選ばねばならないからです。それから適宜、影を付けていきましょう。)

 

 

…まずは影を付ける箇所ですが、普通に絵を描くのと同じように、
光が当たっている方向(光源)を意識しながら、その反対側に影を付けていきます。


影の色の選び方は、またしても私は色彩センスなぞ持ち合わせてないので
そこはもう美術の得意な方にその手の講座はお任せします……。

 

まぁ基本的には、ベース色より暗い色を影として選べばOKです。
ただそのまま「ベース色の明度を落とした色」だとデジタル絵では印象が暗くなりすぎる傾向があるので、明度だけでなく色相をずらすのがポイントとは数ある色彩講座でよく言われてますよね。

ちなみに白い部分の影はアニメっぽく塗るなら「少し青みがかったグレー」を目指すとそれっぽくなります。


「色の選択」ツール(通称スポイト)からベースの色を吸い取って、それを「色の編集」から開き、その色から少し変化させた色を影として選びましょう。

 

バケツツールから「鉛筆」ツールを選びなおして影の色を塗っていきます。

 

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影を塗りつつ、一部ベース色(尻尾の炎のベース色)も塗りなおして調整しなおしました。

 

影が終わったら、次に、ハイライトを入れます。
ハイライトの色選びのコツも私には分からないので、そこは他の上手い人に丸投げを(ry

まぁハイライトとは、要は光が当たって明るいところをテカテカさせると思えばよいのです。

今度は影の反対で、明度が高めの色で、光の当たっている個所を強調します。

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というわけでテカテカさせました。

 

……あっもうこれ完成でよくない?? 完成にしてもよくない???

 

 


まぁこれにて完成…にしてもいいんですが、更に!
もう一手間加えます。

それが「主線(輪郭線)の色の変更」です。

 

今は黒一色で輪郭線を塗っていますが、キャンバスの小さいドット絵において黒を主線にすると、普通のイラストとは違って、黒の主張が強すぎてしまい、「黒が濃すぎる」と感じてしまいがちです。(好みの差はあると思いますけども)

 

そこでこの黒をマイルドな印象にさせる為に、線を塗りなおしていきます。

各パーツを縁取るように、影を塗った色よりも更に暗く濃い色で、黒の線を上から「塗りつぶし(バケツ)」で塗りつぶしていってください。

バケツで塗りにくいところや複数パーツが接しているところは鉛筆ツールと使い分けましょう。

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↑というわけで主線の色をパーツ単位に塗り分けました。

(ついでに最後の仕上げで口部分にも陰影を入れました)


ほとんど差はないようにも見えますが、実は目の部分も黒に近いこげ茶で塗りなおしてます。

 

…え??
主線の色が黒だった時と大して変わった感じがしない??


…う、うーん。
ちょっとはドットのジャギジャギした感じがマイルドになった感じしません??


………。


……ちょっと今回のジバニャンは主線の色は濃すぎたかしら…


こまけぇこたぁいいんだよ!!!!!

(※ジバニャンに限って言えば、もともと公式のイラストが、ほかの部分は黒い線でも、しっぽの先端部分だけ、輪郭線の色を炎に合わせた緑系にしてあるので、ここだけは最低でもやっときたいポイントではありますね…)


今回はちょっとビミョーでしたが、主線を変えると印象が変わるということは覚えといて損は無いので覚えて帰りましょう。

 

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↑たとえばこれは私が過去に作ったドット絵ですが、これは「雲の上に乗っているキャラクター」を意図して作ったものです。

雲の輪郭線をこのようなグレーにすることで、黒の時よりも雲の印象が柔らかいものになってるはずです。そして黒が輪郭線のキャラクターを強調する効果も出ているはずです。そういうことです。


というわけで、これにてジバニャンは完成です!お疲れさまでした!!!

出来上がったジバニャンがこちら。

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ファイルを忘れずに保存してからペイントを閉じてくださいね!!!!!

 

(余談:今回は影を1段階、ハイライトを1段階ずつ付けましたが、これをもっと更に色の段階を細分化して増やしていけばなめらかなグラデーションを付けることができます。ただし使う色数が増えてしまうので色数制限がある場合には使えないのと、あとはあまりに細かくグラデーションをやりすぎるとドット絵らしさが減ってしまうので、まぁそこらへんはご注意ください。)

 


おまけ:

でもせっかくドット絵を作ったからには背景部分の透過処理をしたい… というアナタ!


残念ながら、「ペイント」そのものには透過機能が付いていないので、透過をするには他のソフト頼みになってしまいます……。

 

(「ペイント3D」には透過機能もあるんですが、あれは写真とかの透過向きの機能なので、ドット絵のように境目がパキッとしたものを透過するにはできないことはないですが、少し向いてないです)

 

しかしわざわざ有償ソフトを使わずとも、有難いことに世の中には「pngを透過pngとして変換できる」機能を兼ね備えたフリーソフトも沢山あります。


png 透過 フリーソフト」のような単語で検索すると数多くの紹介サイトさんが引っかかるので、自分のパソコンスペックに適したソフトをぜひ探してみてください。

 

……しかし。
まずはそれらの透過処理ソフトを使う前に、ペイント側のほうで、透過処理をする前の最後の準備をしましょう。

 

簡単です、ジバニャンの周りを「これまで使ってない色」で塗りつぶすだけ。
これまで使ってさえなければ、赤でも青でもオレンジでも何色でもいいです。


まぁなるべく使ってないとはっきり一目でわかるわかりやすい色にしたほうが間違えにくくて良いと思いますが、今回はブルーにしました。

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塗りつぶしツールで一気にジバニャンの外側を塗りつぶします。
(※この絵の場合は尻尾と胴体の間の部分にある空白部分も忘れずに塗りつぶします。)

 

塗りつぶしが終わったら、ファイルを保存して、透過処理ができる他のソフトやツールで、先ほどの背景に塗りたくった色(この絵ならブルーの部分)を「透過色」に設定し、画像を保存してください。


今回は検索していたら、わざわざフリーソフトの類をDLやインストールしなくとも、ちょうど「ウェブブラウザ上だけで画像の透過処理ができる!」というサイトさんも見つけたのでそちらも紹介しておくことにします。

https://www.peko-step.com/tool/alphachannel.html


(※当ブログとは無関係の外部サイト様なのでくれぐれも先方にご迷惑のないようにおねがいします。使い方は画面下部にあるのが分かりやすいのでそれに倣ってみてください。)

 


というわけで、今回は上記のサイトさんを利用させていただき、ジバニャンの透過pngを作りました。

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(このブログ自体が背景白なのでいまいち透過されてるかどうかわかりにくいけど…)

 

これにて本当にジバニャン完成です! お疲れさまでした!

 

 


更なるおまけ:

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これは「ガールズモード4」のエンブレムデザイン機能を使って私が2年前に作った「サーバルちゃん(けものフレンズ)」です。


こちらはパソコンで下絵を作ったりなどせず、直接3DS上でドットをぽちぽちして作りました。割と無謀な挑戦でした。それゆえに無計画で作り始めた代物ゆえ、今になって見るとだいぶ線もガタガタしてる部分も多くお恥ずかしい出来栄えなんですが…。
(吉崎先生絵にも、たつき監督テイストの3Dキャラポリゴンにもあんまり似てないし)

 

ただこれを作った時も、使用ツールは違えど、このブログで紹介したペイントでのドット絵に近い手順で描いてました。

 

キャラの輪郭線の色を変えたり、サーバルの尻尾は毛の質感をけばけばさせるためにわざと線をジャギジャギさせたままだったり……。


「同じ髪の毛パーツでも、光が当たる部分と影部分で輪郭線の色を変える」
ほかにも「絵の全体の輪郭線を同じ色(この場合は紺色)で塗ることでワッペンやエンブレムっぽくする」というのもやってますね。


ドット絵は、点の一つが絵の全体の印象を左右してしまうので、特に目の部分は1つ1つのドットを何度も何度も、それこそ目のパーツだけでも一時間以上をかけて試行錯誤した記憶があります。サーバルちゃんに限らず、人物をドットで打つと目の部分は本当に難しい)

 

「黒を置くには重すぎる、かといって白を置いたら物足りない」という位置のドットには、中間色のグレーを置くと結構いい感じに目の錯覚が働いてくれるのですが、この絵の目の部分にもそうういうテクをぶちこみました。


どうぶつの森のマイデザインもそうですが、ガールズモード4のエンブレム機能はパレットの色が限られるので、結構使用できる色数の制限が大きいです。しかしそのぶん、色の統一感は出るという利点もあります。

 

弘法筆を選ばず!
ペイントでも、ゲーム画面でも、お絵かき掲示板でも、フリーソフトでも、有償ソフトでも、何でもよいですのでドット絵に興味を持ったという方、ツールは何だろうとよければレッツエンジョイしてみてください。

 

……ついでにいうなら、たとえフリーソフトでも、ペイントよりも更に機能豊富で便利で、ドット絵制作に向いたものだって世の中にはあります。本格的にドット絵をやりたいと思うなら、手間の工数の削減のためにも、ペイントよりもそれらのソフトを使ったほうが断然いいです。

(※たとえばEDGEとかAzPainter2とか…。私は使いこなせてないので名前の紹介に留めさせて頂きます。ぐぐったら指南サイトさんも他にたくさんあるよ!)

しかしたとえ使うツールは変わっても、このブログで紹介したドット絵作成のコツ(滑らかな線の作り方とか)はそちら側でも通用するテクニックのはずです。

 

繰り返しますがドット絵にとって最も必要なのは、画力ではなく、いい線といい色を選び出すまでの「根気」というのが私の持論です。

皆様もよいドット絵ライフを~~


(もしもガールズモード4をお持ちの方で、このサーバルちゃんの服が欲しいという人はデザインショップで以下の番号を探してね)

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更にさらにおまけ:

これを描いた本人のマシュマロ

https://marshmallow-qa.com/ume_p?utm_medium=twitter&utm_source=answer


↑当ブログでは管理の手間などの関係でコメントを受け付けてないので、もしも当記事が参考になれましたらweb拍手代わりにマシュマロの方にコメントもらえるとこれを作った人が喜びます。


気が向いたら、ガールズモード4のエンブレムの作り方も紹介する…かも。気が向いたら。

マウスとMS付属のペイントで自己流ドット絵メイキング(3)

前回の記事:

polka-o-doruka.hatenablog.com

 

そして前回のジバニャン

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( 果たして本当にこれがジバニャンになるのだろうか……)


さて。この下書き作業が終わったので、この下書きの線をベースに、主線を作っていきます。
つまり、めんどくさくて、且つとてもとても楽しい輪郭線の手直しタイムです。

 

手直しの基本は

①はみ出しなどの修正。
②何度もなぞった結果でぐちゃぐちゃーってなったところの線を整理する。
  ・ついでにジャギジャギした部分を滑らかにする
  ・足りないドットは補う
③細かい微調整

こんな感じです。

 

はみ出しなどの修正は説明するまでもないでしょう。
分かりやすいのが画面右側の耳が、ぴょーんって無駄に長く伸びてるとこですよね。

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一気に全部をがさーっと修正しても分からないでしょうから、ひとまず左右の耳を修正します。はみ出し部分を削りましょう。

 

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はみ出しや線が重なった部分を消してみました。これだけでもちょっとすっきりしましたね。


しかし耳を整理したことで、画面右側の頬のラインが今度は気になります。ちょっとひしゃげて丸すぎやしませんかね。

それも当然。この頬のラインはそもそも最初にガサッと適当に描いた線がベースだったので……。
今度はここの線を整理しましょう。

本家のジバニャンはもう少し顔が楕円よりも、やや「おにぎり型」に近いのでそこの角度を意識します。


まずはちょっと問題の頬のある線をなぞって太くします。

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この太くなった線を削りながら、本家の絵とにらめっこして、線の角度をジバニャンっぽくなるように調整していきます。

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出来ました!


…え? 修正前と全然違いが分からない??
私も分かりません。 まぁいいや。

 

 

…私流のドット絵の作り方は、基本が「書いて、削る」です。
はみ出しのように露骨な「誤った線」だけでなく、何度もなぞって太くなってしまった線を削り、その形を一番正しいと思える線に近づけていきます。


「一番正しいと思える線ってそもそも何」って話になると思うんですが、私もそれは基準がわかりません。(さっきの頬の輪郭線の正解が分からないのと同じように…)


でもドット絵はドット1つの位置が違うだけで印象が全然変わるものも珍しくないので、妥協せずに何度も根気強く試して、一番しっくりくる答えを探す感覚で線を整理していきます。

 

ドット絵で何よりも大事なもの、それは「根気」です。

 りぴーとあふたーみー 「根気 is ベリー 大事」。

 

ではそんな根気のいる作業を続けていきましょう。

↓頭頂部の輪郭線と、画面左側の耳をさっきの要領でちまちま…ちまちま…

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……とはいえ、この線の修正作業、実はちょっとしたコツのようなものがあります。

それが「ジャギジャギした部分を修正する」ことです。

 


↓これは今まで編集中だったジバニャンとは別の画像なのですが、こちらをご覧ください。これは同じくペイントにマウスで一筆書きしたSの字です。

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うーんなんとも雑。

 

そして↑この画像の縮小表示のほうもついでにご覧ください。
さてこのSの字、滑らかな線に見えますか?

なんだかところどころ、ジャギジャギしてるというか
線の太さが悪い意味で不均一に見えませんか?

 

この太さの不均一な部分を、滑らかに修正することがドット絵では特に大事なのです。

 

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だいたい滑らかでないように見える原因は、画像の赤矢印の部分によるものです。

矢印で差された箇所はどれも、線の流れるナナメの方向以外に、横or縦に連続している「悪いドット」があり、その「悪いドット」が太さを変えているように見えてしまうのです。


言葉で説明してもイマイチ分かりづらいと思うので、こうしましょう。

さっきの私の言った「悪いドット」を赤で塗ってみました。

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この赤いドットを試しに白で潰してみます。

 

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↑縮小表示の方をご覧ください。
どうでしょう。だいぶ滑らかになったと思いませんか?

要は、「線を滑らかに見せたいのなら、線の中で角(かど)っぽくなっちゃってる部分を削れ」というだけの話です。なんだ簡単な話ですね。

 

でもまだ、このSの字に気に食わない部分が私にはもう一か所あります。
ここです。

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青で囲んだ部分です。
本当~~~~にごくわずかなんですけど、ここだけ、線が弛んでいるように見えません??

これも直します。

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↑先ほどと同様に、「悪いドット」を赤で塗ってみました。またしてもこの「悪いドットを」白で塗りつぶし、その代わりに今度は新しく、緑色の部分に黒のドットを1つ置いてみましょう。

 

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……おわかりいただけただろうか……


細かすぎて本当にどうでもいいレベルかもしれませんが、元々絵の面積が小さいドット絵では、ドット1つの位置で印象が本当に変わるのです。

 

この細かすぎる作業する意味あるの?と思える作業ですが、これらを積み重ねればだいぶ絵の印象が変わります。

 

「こんな気の遠くなる作業やってられっか」と思ったそこのあなた。

 

そうです。
ドット絵にとって真に必要なのは画力ではありません。

何度でも主張します。
正解のドットを見つけるために、誤ったドットを1つずつ丁寧に潰す「根気」こそが何より重要なんです。


ちなみになんでもかんでも以上の要領で修正すればいいわけじゃありません。
ジバニャンならば割とつるんとしている生き物なので線を滑らかにした方が自然になりますが、たとえば、けば立った猫の尻尾とか、トゲトゲヘアの人物の髪の毛とか、そういう「ケバケバ・トゲトゲ・ギザギザした印象を与えたいパーツ」は敢えてドットの角を残してジャギジャギにしておいた方がよりナチュラルに仕上がったりします。
臨機応変にやっていきましょう。

 

最近のペイントちゃんは賢いので、こういうジャギった部分をある程度自動的に補正してくれる機能もあるんですが、まぁその機能にも限界はありますし、「同じ線を何度もなぞるうちに自然と太くなっちゃった」とかで今も使う場面は多いテクニックです。
他のツールにも必ずしも同様の線の補正機能があるとも限らないので覚えときましょう。(特にゲームでマイデザインとか作るような人。)

 

ではジバニャンに戻ります。
さっきのテクニックを踏まえながらどんどん線を整理しますよ~


途中経過。

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↑最も目立つパーツ、目の形を修正してます。


また「ジャギってるなぁ」って思えるようなところは大抵「縮小表示」ウィンドウを見れば一目でわかりますので、そこも重点的に直します。

 

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↑目の大きさや形、あとついでに鼻も修正。
実はこのジバニャンはウインクしてたんですね。
あまりにも今までの絵が汚くて分かりませんでした。今明かされる衝撃の事実。

 

 

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↑キャラクターをドット絵にする場合だと目のパーツは特に全体の印象を左右するので自然な大きさや形になるまで何度も試行錯誤します。

ついでに腕周りや足の輪郭線をちまちま直しました。
脚の方は線を描き足すうちに、なんだか画面右側の脚が黒で塗りつぶした陰影っぽくなってきてしまってます。
でも太くなっても悲観する必要はありません。ドット絵だもの。

普通のイラストだと修正するのが大変ですが、こんな風になってしまっても、光が当たってる部分を削る感覚で線を整えてやるとドット絵ならいい感じに軌道修正できます。

 

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↑ジバニャンのトレードマークと言えば腹巻ですが、画面右側のボディから足にかけてまでの輪郭線を一度整理するために腹巻の線を部分的に消してみたところ、なんだかタイツみたいになってしまいました。

 

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↑尻尾も普通に整形してもよかったのですが、尻尾は細長いパーツなので予め一気にふとめに塗りつぶし、中を白抜きしてから外側の形をいじって整えるやり方を今回は取ることにします。

 

そしてこんな感じになりました。

じゃんっ

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……すごい。


最初の気持ち悪い生き物からよくぞここまで軌道修正したと自分で自分をほめたくなるような気持ちになります。

 

まぁまだまだ尻尾の炎の形がしょぼいのであれを直していきましょう。

 

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公式絵を見ながら尻尾の炎をパワーアップさせるついでに、首周りの白い模様を失念してたのでそれを描き足します。

あとは鼻パーツや、正面から見て右側の足を微修正。

 


……えっ…??


これもしかして……ジバニャンでは……??

 

マジでこれは……誰がどう見てもジバニャンじゃん……??

 


最初のぐちゃぐちゃした線の塊を思い出してみてください。

あれがこれになったんですよ。自分でもびっくりですよ。

よくぞ形にできたと自分で自分を褒めたい。やればできる子。

 

…これにて線画タイムはおしまいです。
次となる最終回は色塗り! まだまだ続くんじゃ!

 

(※もしも色塗りのさなかに線画を台無しにするのが怖いのなら違うファイル名で保存しておきましょう。)

 

次の記事(最終回):

polka-o-doruka.hatenablog.com

マウスとMS付属のペイントで自己流ドット絵メイキング(2)

前回の記事:

polka-o-doruka.hatenablog.com

 

ドット絵のよいところは、マウスぽちぽちでもペンタブレットで描くのと遜色ない作品が作りやすいところです。
好みはあるかと思いますが、ドット絵であるならペンタブレットよりマウスの方が個人的には編集しやすいです。
まぁツールはお好みで……。


まずはタブを「ホーム」に切り替えて元に戻しましょう。

 
ペイントの初歩的な各機能については各自ググッといてくださいと言いたいところですが、まぁドット絵を作るのによく使う機能だけ紹介しておきます。

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ここの赤丸で(ジバニャンだけに)囲んだ部分の機能が今回のドット絵作成でメインとなる機能です。それぞれ説明します。

 

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①…鉛筆ツール。言わずもがな点を打つためのツール。(※ドット絵を作るときに「ブラシ」は選ばないでね!)
②…消しゴムツール。もちろん鉛筆ツールの逆。
③…塗りつぶしツール。通称バケツ。簡単に説明するなら、線で囲まれた範囲に色をまとめてダバァっと塗る。
④…色の選択ツール。通称スポイト。画像の中から色を選択するときに使う。
⑤…テキストツール。文字を入れる時に使う。(ドット絵を作るときにあまり用はないかも)
⑥…大鏡ツール。前回記事でスクロールバーから画像の拡大率を変更する方法を紹介したが、こちらも同様のズームに使える。


まぁ今更私が説明するまでもないと思うんですが、後々の説明にもかかってくることなのでなにとぞ…。

 


それからもう一つ大事なこと。

他のハイスペックな画像編集ソフトと比べて、機能がしょぼいシンプルなペイント特有の要素について話しておかなければなりません。
これより「前景色」「背景色」について説明します。

 

うわなんかめんどくさそうな用語出てきましたね…。でも実はまぁそんなに難しいことじゃないです。

 

こちらの画像をご覧ください。

(ペイントのメニュー上部に出てる右側部分の一部です。)

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前景色…この画像内の「色1」で選択している色のこと。(画像では黄色)
背景色…この画像内の「色2」で選択している色のこと。(画像では茶色)

 

以上で前景色と背景色の違いの説明については終わりです。はい。


たったそれだけです。


…もっと詳しく、かつ分かりやすいように説明しますね。


前景色…「鉛筆」ツールを選択した状態で画面をクリックしたときに塗られる色のこと。
背景色…「消しゴム」ツールを選択した状態で画面をクリックしたときに塗られる色のこと。

 

他の画像編集ソフトではレイヤー機能という便利機能を持つものがほとんどですが、機能がしょぼいシンプルなペイントでは、1枚のキャンバスに上からぐりぐり色を塗りたくっていくという、なんともアナログ描画に近い感覚で画像を編集していくことになります。

(※ペイントに存在しない機能のことなので説明しませんが、他の画像編集ソフトの「レイヤー機能」とは何ぞやって気になる人は各自ググってね)


アナログの「鉛筆」はそのまま線を引くものであり、アナログの「消しゴム」はそんな鉛筆の線を消していくためのものですが、(そして大抵の画像編集ソフトもそれと同じように消しゴム機能ができているのですが)、

実は「ペイント」における消しゴムツールは、厳密には鉛筆ツールの線を消しているのではなく、アナログで例えるなら「画用紙と同じ色を上から塗って鉛筆の線を塗りつぶしている」のに等しいものなのです。

(それってほぼ同じことじゃ?って思われるかもですが、まぁ微妙にニュアンス異なりますので…)

 

このアナログで言うところの画用紙の色に該当するものこそが、ペイントでは「背景色(色2)」であり、その上に描かれた鉛筆の芯の色が「前景色(色1)」なのです。

 


ちなみに「鉛筆」や「塗りつぶし」ツールを選択した状態で、左クリックではなく「右クリック」をすると、前景色(色1)ではなく「背景色(色2)」で色を塗ることができます。これでわざわざ2つの色を切り替えるのに鉛筆ツールから消しゴムツールを選びなおす必要もないので時短できます。ぜひ覚えておきましょう。

 

……すいませんここまで本当に前置きが長くなりましたね。

 

やーっと本題に入ることができます。

ジバニャンです!
ジバニャンのドット絵を作りましょう!!

 

まずは画像検索で本家のジバニャンの画像でも見ながら、完成図の構図をぼんやり考えます。

そして脳内でぼんやりとイメージした形に近づけるように頑張りましょう。


まずは輪郭線から整えていきましょう。
マスコットキャラクターはシルエットが大事ってよく言いますよね。

例えばかの有名なミッキーマウスなら、あの大きな丸い耳、尖った鼻、脚や腕の細さからの大きな手袋と大きな靴、すらりと細長い尻尾。
ピカチュウだと、長いお耳に、尻尾のギザギザ。

彼らはたとえ黒一色のシルエットでも、世界の誰が見てもそれだと分かるという唯一無二の特徴を持っています。
これらの事例から分かるようにマスコットキャラクターはシルエットが何より大事なのです。


まぁ今から作るのはジバニャンなんですけど。

 

とにかく、ドット絵に限らずとは思いますが、絵を描く際に一番最初にすべきことは「全体の構図レイアウトを(アバウトでもいいので)決める」ことです。


ジバニャンのポイントとしては、大きく区分すると頭と身体のバランスが重要です。
ほぼ二頭身体型で、大きな頭に対してやや小さめのボディ、短い手足がチャームポイントですね。
長い尻尾も忘れてはなりません。

ここを意識して、まずは全体のシルエットを下書きしてみます。


色1に黒、色2に白が選択されているのを確認したうえで、鉛筆ツールの「線の幅」を一番細いものを選択。

 

 

あとは「ジバニャンに近づけ~~」と念じながら、いろんなジバニャンの画像を参考にしつつ、まずは頭の輪郭線をぐるーっと。

 

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Ctrl+Z(戻るのショートカット)も駆使しながら、何回かトライしていい感じのまるっこいのができました。
何度もなぞって描きなおすのも手なんですが、顔の輪郭線のような大きめの曲線は、一発描きで奇跡の1つができるまでをトライ&エラーしたほうがよいです。経験上。

 


この饅頭みたいな線を叩き台にしていきましょう。
この端も繋がっていないような物体をジバニャンにしていきます。


……できるのか? できるのか私!?

 

 

(※実は文を書くのと並行してドット絵製作を進めてるので今の私には完成図がどうなるか見えていません)

 

ひとまず、輪郭線がちょっとキャンパスの左側に寄りすぎているので、「選択」ツールを使ってパーツを画面の中央へ寄せます。

再び鉛筆ツールに戻って、公式絵を見つつ、ここに身体、手足を生やしてみましょう。

 

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↑ Ctrl+Zを駆使しながらこんな感じに。
何度もなぞった箇所がインクだまりのようになっています。


……なんやこれ…本当に完成品はジバニャンになるのか……??


公式絵をちらりと再確認。

よくよく公式絵を見ると、ジバニャンのボディはよく見ると全体のシルエットが台形のようにほんの少し広がっているので、ここを直していきましょう。

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↑おっ、線を塗り重ねたので汚くはなったけど、ちょっとジバニャン体型に近づいた?

 

ここで、私の中では完成図のポーズが何となく具体的に浮かび上がりました。

 

……見えた、見えたぞジバニャン!!! …たぶん…


「正面図を最初は考えてたんだけど、この感じなら頭の形からしてちょっと顔は斜めの位置から見た構図にしたほうが面白いかな?」「右腕を前に突き出したので、左腕は腰に当てさせようかな」とか、そういうのをここでの私は考えてます。

 

上手い人はこういう行き当たりばったりなことはあんまり考えないで完成形へ一直線かと思いますがへたっぴなのでこんな感じになります。まぁ絵の描き方に正解は無いので!


ではこれに2本の尻尾と耳を描き足しましょう。

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↑ 尻尾と耳っぽいのを足してみました。

 …うーん 縮小表示のウィンドウを見るとちょっとアンバランスですかね。
画像全体を右に寄せて、画面右側の尻尾をもうちょっと小さめにしましょうか。

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↑「選択」ツールで全体を囲んで選び、画像をドラッグして右側に移動させ、右側の尻尾を一度消しゴムで消し消し。
右に寄せると今度は左側が寂しくなったので、画面左側の尻尾を部分的に選択して、この尻尾のみ左側に移動させて……。

 

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↑全体を選択ツールで囲んでもう少し右側に移動させてみました。
左側の尻尾にも書き足しを加えてます。

 


…そういや言い忘れてましたがここまでの過程で、背景色で塗ることはほぼしてません。
つまり消しゴムツールを使わず、ほぼ鉛筆ツールだけで作業してます。

 

これは「一発描き凄いだろフフン」という自慢などではなく(むしろそれができる腕が欲しかった)、
「一度引いた線が角度がイマイチとか気に食わない代物になったなら、Ctrl+Zで戻して納得いく線ができるまで書き直している」という意味です。
或いは上から塗りつぶして太めの線にし、インクだまりっぽくしておくことで誤魔化します。


なぜそうやってるかというと理由は単純で、「あとでまとめて修正するから」
あとは色を切り替えるのすらめんどくさいから。
要はこっちのほうが時短になるから、といった具合です。

私の性格がずぼらというのもあります。

 

「あとで修正する」を言い訳に、今は汚いぐちゃぐちゃした部分もまだ無視です。

 

 

さて最後に顔のパーツや他の装飾品も加えてみ……

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うわキモッ!!!!!

 

失礼しました、自分で作ったにもかかわらずあまりのクリーチャー具合に、思わずフォントも最大サイズの太字にしてしまいました。


確かに最初のミミズが走ったような跡に比べればジバニャンには近づきました。
近づいたには違いないんですが一体なんなんだこのキモい生き物は

まだ小学生の描いたジバニャンの方がずっとかわいいはずだぞ。


……でも大丈夫、これは下書き。そう、下書き。(自己暗示)
これから線を整える作業をするので、たとえ今はキモイ生物でも、きっと未来の自分がこれをかわいいジバニャンに整形してくれるはずなんだ。だから今は汚い状態でも全く問題ないんだ。

 

(そうやって未来の自分にまかせて何度痛い目を見たことか
夏休みの宿題しかり先送りにした仕事しかり…)

 

……まぁこんな感じで、大抵私のドット絵のラフはこんな具合に汚いです。
まずはこんな風に黒と白の二色だけで全体の輪郭を描き、これを手直しいく形で完成形の線画に近づけていきます。


果たしてこんなクリーチャーから、プリチーなジバニャンなんてものが出来上がるのか!?


記事が伸びたので次へ続く。

 

次の記事:

polka-o-doruka.hatenablog.com